血液中の悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(Low-density lipoprotein)コレステロールが生まれつき高く、若い時から血管が細くなったり詰まったりして動脈硬化の大きな原因となる、家族性高コレステロール血症(FH)という病気があります。この病気はLDL受容体の遺伝子変異が原因で、両親のどちらかが原因となる遺伝子を持っていると発症します。 家族性高コレステロール血症の治療は、基本的には食事療法や運動療法といった生活指導を行い、動脈硬化症の発症および進展の予防が主になりますが、生活習慣の改善のみでは、LDL値を安全域まで充分に低下させることは困難な場合は経口の内服薬の脂質異常症治療薬を用います。しかし、これでも十分な治療効果が得られない場合に限り、国内では2016年1月に承認された「レパーサ皮下注」の投与の対象となります。
レパーサ皮下注は、家族性高コレステロール血症以外にも、高コレステロール血症があり、血管が詰まって心臓や脳に血液が届かなくなって、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベント発現リスクが高い場合や、脂質異常症治療薬のHMG-CoA還元酵素阻害剤で期待される効果が見られない、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合にも使用することができます。
レパーサ皮下注の投与方法は、通常、成人には主成分として140mgを2週間に1回、または420mgを4週間に1回皮下注射します。ただし、使用にあたっては医師や薬剤師と必ず相談し、使用中も経過を観察しなければなりません。 このレパーサ皮下注は当院でも処方が可能です。当院は、生活習慣病の予防・治療に特に力を入れ、千差万別ある患者さんの症例に的確に対応したいと考え「日本内科学会認定の総合内科専門医」資格を取得しております。調子が悪い、不安がある、「何かいつもと違う」ということがある場合は、放置せずにお気軽にご相談ください。